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| カイドウ(海棠)の花 |
友人のSさんが、ご実家で咲いていたカイドウの写真を送ってくれました。
春の雨降りの後の写真です。
彼女がご実家のカイドウの挿し木をしたところ、一本根付いて花が咲きそうとお聞きして、宮城道雄に「海棠(カイドウ)」という曲があるよ、という話になり、歌詞を書き送ったところ、その曲にぴったりだと思う、と、この写真を送ってくれました。
わたしもぴったりだと思います。
以下「海棠」の歌詞です。
㈠ 盛りいみじき海棠に そそぐも重し春の雨
花の恨みか喜びか
問わんとすれど露もだし 聞かんとすれど花言わず
㈡ 夕べ静かに風吹きて 名残の露は払われぬ
風の情けか妬みにか
問わんとすれど露もだし 聞かんとすれど花言わず
「露もだし」の「もだし」は「黙し」と書いて、「黙っている、何も言わない」という意味です。決してめんと出汁のことではありません。譜面には歌詞がひらがなで書かれているので「つゆもだし」と読んですぐに意味が分かる人は少ないでしょう。
作詞は「荒城の月」でおなじみの土井晩翠。
土井晩翠作詞、宮城道雄作曲の筝曲には、ほかに「春の夜」があります。
七五調で文語体の歌詞は若い方にはわかりにくいかもしれません。でも格調高く、趣きのある詩だなあと改めて思います。