2021年5月5日水曜日

「箏」と「琴」二通りの表記のコト

 あいかわらずコロナの感染状況は広がる一方の様相で、一般庶民はどのように行動すればよいのか、謎だらけのゴールデンウィークも終盤です。三郷市は緊急事態宣言にも、まんぼう措置の対象地域にもなっていないので、市内のららぽーとやIKEAの辺りはだいぶ混雑したようです。4月30日付の読売新聞朝刊埼玉県版には周辺道路は大渋滞という記事がのっていました。そりゃそうなるよね。

さて、本日のタイトルは「箏」と「琴」であります。当ブログでは「箏」という漢字を使っておりますが、世の中では「琴」という表記も多く目にします。これには次のような事情があります。
そもそも「琴」は「キン」という別の楽器でした。中国の七弦のコトでポジションに立てる「柱(ジ)」がなく、左手で弦を押さえて右手ではじいて演奏するもので映画の三国志などに出てきましたね。日本でも平安時代初期までは貴族の間で愛用されていたそうですが、その後現在の「箏(そうのコト)」のほうが普及したそうです。「箏」は元は雅楽の楽器として中国から伝わり、少しずつ形を変えながら現代まで続いている13絃の楽器「こと」です。つまり「箏」と「琴」は元々は別の楽器だったので、お箏を弾く人はだいたい「箏」の字を使います。

しかし、ここで問題なのが「箏」という漢字が当用漢字ではないということだと思います。結果、たとえばお箏を扱うお店の看板が「○○琴」となっているわけです。いったい当用漢字を選定している人たちは本当に日本の漢字文化のことを考えているのか。熟語なのに漢字仮名混じりの「まん防」とか「ひっ迫」じゃ全然緊迫感が伝わらないと思いますが。

*なお、「コト」の用語について出典は「よくわかる箏曲地歌の基礎知識」からです。なにかと参考になります。



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