9月19日㈭、文楽観賞教室へ。
演目は人形浄瑠璃「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)」と「夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)」の二つ。文楽について、お人形や音楽、語りなどの解説の時間もあり、ストーリーも複雑でなく、初心者の方にもわかりやすい公演となっています。通常は有料販売のプログラムやしおりもいただけるのでおすすめです。
わたしも、「一度文楽を観てみたかった」という友人を誘って行ってまいりました。
最初の「伊達娘…」のほうは舞台上の色彩が美しく、真っ暗な夜の黒、白い雪、娘の赤い着物の三つの色に引き込まれます。お人形が梯子を上って櫓に上がる場面は人形遣いが視界から消えて、お人形が自分で梯子を上っていくように見えるのも見どころだと思います。
さて、もう一つの「夏祭浪花鑑」ですが、これは正直現代人の感覚とは相当なズレがあって、鑑賞教室の演目としてはどうなのかしら?と思ってしまいました。
主人公は全身入れ墨。最後の殺人の場面はスローモーションでとても長い。いっしょに行った友人も、「殺人シーンが長かったね~」と言ってました。
文楽も歌舞伎も、古典芸能ではすぐ人を殺しちゃう、我が子を主君のために身代わりに差し出す、任侠(やくざ者)や遊郭、遊女、遊興におぼれて破滅する若旦那がよく出てくる。どうしようもない悪人もよく出てくる。
わたしは人間よりも人間らしい表情や動きをする文楽のお人形も好きだし、真っ赤な顔で血管切れそうに語る太夫の迫力に圧倒されるし、義太夫三味線の低くて太い音色も好きです。
ただ、現代とはあまりに常識の違う古典の情景は受け入れ難いのではないかと気がかりです。特に若い人たちには違和感があるのでは。
12月には古典でなく新作の文楽の上演もあるようなので、今度そういう現代の文楽も観てみようかしら、と思います。
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